介護タクシーで自分が利用者を乗せて運転するなら、車両に応じた二種免許が必要です。一方、事業主が運転せず、二種免許を持つ運転者を雇う場合は、事業主本人に二種免許が必須というわけではありません。
この記事では、申請者と運転者の違い、運転者を雇って開業する際の注意点、介護保険タクシーと「ぶらさがり許可」の違いを整理します。
二種免許が必要か、まずはここを確認
- 自分が運転する:介護タクシーの事業用車両で利用者を運ぶには、二種免許が必要です。
- 運転者を雇う:実際に運転する人の二種免許と、必要な人員・運行体制を確保します。
- ヘルパーの自家用車を使う:通常の介護タクシーとは別の許可・条件を確認します。一種免許だけで自由に営業できる制度ではありません。
二種免許が必要なのは、利用者を乗せて運転する人です
一般的な介護タクシーは、一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可を受け、事業用車両で利用者を輸送する事業です。
事業の許可と運転免許は別のものです。許可を受けたからといって、一種免許の人がその事業用車両で利用者を運べるようになるわけではありません。
道路交通法第86条では、旅客自動車運送事業の旅客を運送する目的で旅客自動車を運転する場合、車両の種類に応じた二種免許を求めています。事業主が運転を兼ねるなら事業主に、従業員が運転するならその従業員に必要と考えると整理しやすくなります。
二種免許以外に必要な人員・車両・営業所・資金などの要件は、介護タクシー許可の要件・必要書類・申請の流れでまとめて解説しています。
事業主に二種免許がなくても、運転者を雇って開業を検討できます
事業主本人の免許と、運転者の確保を分けて考える
事業主自身が運転しない場合、二種免許を持つ運転者を雇用する方法があります。ただし、免許を持つ人が見つかるだけでは十分ではなく、勤務日や営業時間に合った人員の確保、運行管理などの体制づくりが必要です。
関東運輸局の申請の手引きでも、運転者の確保状況・採用予定、勤務割や乗務割、点呼・指導教育などの体制を記載することになっています。開業予定日から逆算して、採用と申請の準備を進めましょう。
参考:関東運輸局「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送限定)の許可申請の手引き」(運行管理等の体制/PDF)
人件費と、運転者が不在になった場合の備えも必要
運転者を雇う場合は、給与に加え、加入要件に応じた社会保険・労働保険の事業主負担なども資金計画に入れます。売上だけでなく、継続して支払う費用を見込んでおくことが大切です。
また、運転できる人が1人だけの場合、その人の退職・休職などで運行できなくなるおそれがあります。事業主が一種免許しか持っていなければ、代わりに利用者を乗せて運転することはできません。
自分も二種免許を取得するか、代わりの運転者を確保するかなど、運行を続けるための備えを検討しましょう。事業主本人の取得は実務上の選択肢であり、運転しない事業主すべてに課される免許要件ではありません。
介護保険タクシーでも、事業用車両の運転には二種免許が必要です
訪問介護事業所などが「通院等乗降介助」を行う、いわゆる介護保険タクシーでも、一般乗用旅客自動車運送事業の事業用車両で利用者を輸送する場合は、運転者に二種免許が必要です。
介護保険を使うかどうかによって、事業用車両を運転する人の二種免許が不要になるわけではありません。「介護保険タクシーなら一種免許でよい」という説明は、次の別制度と混同しないように注意してください。
「ぶらさがり許可」は、ヘルパーの自家用車を使う別の制度です
「ぶらさがり許可」は、訪問介護事業所等の指定を受けた運送事業者と契約する訪問介護員等が、使用権原を持つ自家用車で有償運送を行うための許可を指します。
関東運輸局の基準では、ケアプラン等に基づき、訪問介護サービス等と連続・一体で行う輸送が対象です。一種免許と国土交通大臣認定講習等で運転者の要件を満たせる場合がありますが、二種免許の場合も含め、申請日前2年間の無事故・免許停止処分がないことなど、ほかの条件もあります。
免許以外にも、訪問介護員等の資格、契約先の事業者、使用車両、保険、安全管理などの条件があり、別途許可が必要です。一種免許と講習だけで、新規の介護タクシーを自由に開業できる制度ではありません。
ここでの説明は関東運輸局の許可基準によるものです。具体的な適用と申請手続きは、営業する地域の運輸支局で確認してください。
出典:関東運輸局「訪問介護事業所等の訪問介護員等による自家用自動車の有償運送の許可基準」(PDF)
開業前は「誰が・どの車両で・どの制度で運ぶか」を確認しましょう
- 運転する人を決める
事業主が運転するのか、運転者を雇うのかを整理し、必要な免許・資格と人員を確認します。 - 使う車両と許可の種類を確認する
通常の事業用車両による介護タクシーと、訪問介護員等の自家用車による有償運送を分けて検討します。 - 採用・免許取得・申請の予定を組む
許可や免許の準備が整う時期を確認し、無理のない開業スケジュールにします。
資格の準備から許可申請、営業開始までの手順を確認したい方は、介護タクシー開業までの流れもあわせてご覧ください。
制度・資料の確認日:2026年10月19日。
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※二種免許の取得前や開業形態が未定の段階でもご相談いただけます。なお、ご自身で作成された申請書類の添削・確認、個別の修正案作成は有料相談または個別サポートとして承ります。








