「タクシードライバーの経験がない」「地域の抜け道や裏道なんて詳しくない」、そんな不安があっても介護タクシーを開業することはできます。

介護タクシーのドライバーは、一般タクシーの運転経験は一切不要です。タクシー経験がないことは、決してハンデではありません。

今回は、運転経験がなくても安心して一歩を踏み出せる理由と、開業に必要な資格について解説します。

理由1:「流し営業」がない完全予約制

一般のタクシーは、街中を走りお客様を探す「流し営業」が基本です。そのため、一瞬の判断で最適なルートを選び、抜け道や渋滞情報を熟知していることが求められます。

一方、介護タクシーは「完全予約制」です。流し営業はできません。

基本的に前日までに予約が入るので、「どこからどこへ送迎するか」全て決まっています。事前にナビやストリートビューを使ってルートを予習することもできます。

目的地周辺の駐車場、車寄せの有無やスロープを安全に降ろせるスペースなどがあるかまで事前に確認できるため、道に詳しくない方でも焦る必要はありません。

理由2:求められるのは「丁寧なコミュニケーション」

一般タクシーの利用者が求めるのは「早く正確に目的地に着くこと」であることが多い一方、介護タクシーの利用者が求めているのは「安全で快適な移動」です。

高齢者や体が不自由な人がお客様となるため、スピードよりも丁寧な運転ができること、そして、要望に優しく耳を傾けるコミュニケーション能力が求められます。元営業職、飲食・接客業、介護職、事務職など「丁寧な対人対応ができる人」こそ、リピーターを獲得しやすい業界であり、最大の強みになります。

介護タクシー開業に必要な「2つの資格」

介護タクシーを開業するために揃えておくべき資格は、基本的に以下の2つです。

普通自動車第二種免許(二種免許)

二種免許は、一般のタクシードライバーでも必要な、お客様を乗せて運賃をもらうために必須となる免許です。自動車教習所の通学や合宿を利用すれば、指定教習所の卒業試験合格を経て取得できます。

自動車教習所に通わずに、運転免許試験場で直接試験を受けることもできますが、一回の試験で合格することはほぼありません。費用は安く抑えられますが、合格率が低いため難易度が高い方法です。

介護の資格(介護職員初任者研修など)

福祉車両を使用すれば介護の資格は必須ではありませんが、介護タクシーは身体が不自由な方などが利用者となるため、実務上介護の資格は必要になります。車いすの適切な操作や介助の基礎があることで、事故を防ぎ、利用者からの信頼を獲得できます。

「介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)」であれば、無資格でも原則として誰でも受講できますので、しっかりと授業を受ければ1ヶ月程度で合格できる資格です。

このように、タクシードライバーの経験がないことは、決してハンデではありません。

「抜け道を知っているベテランドライバー」よりも、「安心・安全運転で丁寧に対応してくれるドライバー」が選ばれるのが介護タクシーの世界です。特別な運転経歴がなくても、相手を思いやる気持ちがあれば、十分に地域から愛される事業を立ち上げることができます。