
介護タクシーは個人でも開業できますし、法人(会社)でも開業できます。
個人開業であれば、個人事業主として税務署へ開業届を提出します。
個人開業のメリットは、初期費用を抑えられること、社会保険・労働保険は必ずしも加入しなくてよいことです。
一人で開業するなら、自宅の一室を営業所、自宅駐車場を車庫と考える方が多いです。要件さえ合えば自宅開業ができますので、家賃を0円にすることも可能です。
一人開業であれば、そもそも社会保険・労働保険は加入できませんので、保険料がかかりません。ドライバーや事務職員を雇うのであれば、労働保険の加入義務はありますが、社会保険は従業員の人数が5名未満であれば任意です。
法人(会社)は、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人など、法人の種別は問われません。
ただし、法人の事業目的に介護タクシーを行う事が明記されていなければなりません。
介護タクシーの正式名称は「一般乗用旅客自動車運送事業」ですので、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の「目的」欄に記載されているか確認しましょう。
もし「目的」欄に記載されていなければ、介護タクシーの許可申請を行う前に法務局へ目的変更の登記手続きを行う必要がありますので注意してください。
法人開業のメリットは、信頼性があることと、介護保険が適用される介護タクシー事業が行えることです。
介護保険が適用される介護タクシーのことを「介護保険タクシー」と呼ぶことが多いのですが、具体的には「訪問介護事業」または「居宅介護事業」の指定を受けた「介護事業者」が、利用者さんが病院等へ通院するために車で迎えに行って、乗車・降車の介助サービスを行うタクシーのことを言います。
つまり、「介護保険タクシー」では、 介護の資格を持ったドライバーが病院等の目的地まで移送するだけでなく、出発前の自宅において外出準備の介助、乗車・降車介助、病院内の受付や受診課までの移動の介助をすることで、介護保険が適用されるようになります。もちろん、介助料金とは別にタクシーの運賃も収受することができます。
この「訪問介護事業」または「居宅介護事業」の指定を受けるには、第一に法人格がなければいけません。
今すぐ介護事業を始める予定はなくても、法人で開業しておけば将来的に介護事業にスムーズに参画できるメリットはあります。
ただし、法人としてのランニングコストはかかりますので、一人で気軽に開業したいのであれば、無理に法人化するメリットはありません。
個人開業でも法人でも審査基準に違いはありませんので、ご自身の実情に合わせて決めることができます。