はじめに
介護タクシー事業を運営する上で重要なのが、売上だけでなく経費の管理です。
経費は固定費と変動費に分かれ、それぞれ適切に把握することで事業の収益性を高めることができます。
この記事では、介護タクシーの主な経費を詳しく解説します。
介護タクシー事業の固定費一覧(例)
固定費とは、利用者数や稼働状況に関係なく定期的に発生する費用です。
(1) 車両費
リース料またはローン返済額
車両購入の場合はローン、リースを利用する場合は月額費用がかかります。
- 軽自動車:月1万円~3万円(中古車の場合)
- ハイエースなどの大型車両:月2万円~5万円(中古車の場合)
(2) 保険料
自賠責保険(法律で加入が義務付けられている保険)
任意保険(対人・対物補償、車両保険など)
(3) 車両維持費
車検費用(車両の種類によって異なります)
- 軽自動車:約7万円~10万円(1年ごと)
- ハイエースなどの大型車両:約10万円~15万円(1年ごと)
定期点検費用
(4) 事務所関連費
営業所の賃料
- 都市部:約5万円~7万円/月
- 地方:約3万円~5万円/月
通信費
車庫代
(5) 人件費
自分で運転を兼任する場合は発生しませんが、運転手や事務スタッフを雇用する場合は給与が必要です。
介護タクシー事業の変動費一覧(例)
変動費とは、事業の稼働状況や利用者数に応じて発生する費用です。
(1) 燃料費
ガソリン代が主な燃料費です。走行距離に応じて変動します。
- 軽自動車:約1万円~2万円/月
- ハイエースなどの大型車両:約2万円~4万円/月
(2) メンテナンス費用
タイヤ交換(定期的に交換が必要)
- 軽自動車:1万円~3万円/年
- ハイエースなどの大型車両:3万円~5万円/年
突発的な修理費用
(3) その他の運用経費
駐車料金:外出時に駐車場を利用する場合
消耗品費:車両用の清掃用品や備品
経費を抑えるポイント
(1) 燃料効率の良い車両を選ぶ
ハイブリッド車等を活用し、燃料費を削減する。
(2) 定期的なメンテナンスを実施
オイル交換やタイヤ交換を計画的に行うことで、突発的な修理費用を抑える。
(3) 事務所や車庫を見直す
自宅を事務所や車庫として活用することで、固定費を削減する。
(4) 保険内容の最適化
必要な補償範囲を見直し、適切な保険プランに加入する。
経費の年間目安
- 車両費:36万円~60万円
- 保険料:16万円~26万円
- 車両維持費:10万円~20万円
- 事務所関連費:36万円~84万円
- 燃料費:12万円~24万円
- メンテナンス費用:2万円~8万円
合計 約110万円~220万円
まとめ:黒字化には経費の把握が必須
介護タクシー事業を成功させるためには、売上を増やすだけでなく、経費をしっかりと管理し、収支バランスを取ることが重要です。
固定費・変動費を明確に把握し、必要に応じて削減策を講じることで、収益性を高めることができます。
経費管理を徹底し、安定した経営を目指しましょう。